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間違いだらけのビジネス・ソフトウエア開発
ビジネスソフトの分類:
経理処理:アカウンティング
業務処理:オペレーション
統計処理:レポーティング
情報処理:インフォメーション
経理処理に属するソフトウエア:
財務会計、給与計算、売掛管理、買掛管理、在庫管理、などの、どこの会社においても必要とされる処理で、会社による処理の違いは比較的少ないと考えられます。
そのため、市販のビジネスソフト・パッケージで対応できる場合が多いです。
業務処理に属するソフトウエア:
ここでは、ある会社に固有の独特の経理処理を行う事を『業務処理:オペレーション』と定義します。
例1:
過去1ヶ月間の売上高に応じて、卸し価格を自動的に変更する。
例2:
売上高に対して、一定の率で『ポイント』計算を行い、次回の購入の際にポイントで支払いができる。
例3:
直営店の支店と、フランチャイズに対してパソコンのPOSレジソフトを導入するが、フランチャイズに対しては売上高に応じてロイヤリティ計算を行い、自動的に売掛と相殺する。
以上に挙げた例を採用している会社でも、細かな点でルールが異なる場合が多いようです。
また、これ以外にも様々な業務処理を行っている例は無数に有ります。
このような業務処理を実現するための市販ソフトは殆ど有りません。
統計処理に属するソフトウエア:
売上高を、地域別/得意先別/商品分類別に時系列で集計して、見やすくレポートに印刷します。
一般的には、経理処理/業務処理で入力されたデータを一旦、別のデータベースに読込み、データウエアハウスや、ピボット集計のソフトを用いて集計します。
エクセルでも、比較的高度なレポートを作成することが可能です。
経理処理ソフトとして販売仕入ソフトでも、同じ目的のレポートを作成する機能がありますが、『弊社では、このデータを集計したいんだが、その機能が無い。』という場合もあります。
情報処理に属するソフトウエア:
ここでは、伝票処理のように定型処理に対して、不定形な処理を『情報処理』と定義します。
また、現場の要求に応じて、比較的柔軟に持ちたい情報を項目を追加できることが必要です。
このような目的で、エクセル、ファイルメーカー等が使われているようです。
間違いだらけのソフトウエア開発:
経理処理と業務処理をチャンポンにしている例です。
市販の販売管理パッケージに、直接カスタマイズして業務処理を追加する例が一番多いようです。
短期的に考えると、費用的にも開発効率に於いても、一番効率が良いので、よけいに問題は深いです。
中長期的に考えると、この方法は、問題だけが山積することになります。
問題点:
パッケージを直接カスタマイズしたものは、パッケージでは無くなる。
つまり、導入から4、5年が経過して、ハードウエアが古くなり、新しいハードウエア/OSに移行したい場合に、まずそのままでは移行が不可能な場合が多いという事です。
この時点では、パッケージソフトとしてのサポートが有ったとしても、カスタマイズしている為、普通のパッケージソフトと同様の『バージョンアップ』は受けられません。
つまり、基本はパッケージソフトだとしても、少しでもカスタマイズしたものは、パッケージソフトでは無いので、永久に『パッケージソフトとしてのバージョンアップの道』は有りません。
新しいハードウエア/OSに移行したい時は、ゼロからの出発を余儀無くされます。
カスタマイズを大きくしていれば、している程、問題が大きいのです。
この時、ユーザーは、大きな選択を迫られます。
1:現行システムを新しいハードウエア/OSに合わせて変更する場合。
データベースのバージョン、ミドルウエアのバージョン、アプリ開発ソフトのバージョン等のバージョン間の調整が出来たとしても、非常に大きな開発費が必要です。
つまり、本来はパッケージの部分であった機能も含めて、開発しなければなりません。
2:現行システムを全て捨てて、新たに開発する場合。
最初に開発した時と同様に、パッケージソフトをベースに直接カスタマイズする方法です。
この方法でも良いかも知れませんが、システム移行に伴う費用も追加されますから、数年前にした事の繰り返しになります。
どちらの方法を採用するにしても、数年毎のシステム見直しの際には、大きな費用負担が有り、そのために古いシステムを『だましだまし』使い続けている例が非常に多いようです。
過去の教訓から得たもの:
実は、弊社でも1993年頃は、上記の手法を採用していました。
『Mac販売管理システム』というMacintosh専用の販売、仕入、在庫管理ができるパッケージソフトに、ユーザー様の要求に応じて、直接カスタマイズを行っていました。
当時は、その方法しか無くて、また将来起こりうる問題も正しく認識していなかったので、とにかくカスタマイズして業務処理を実現したという意味のほうが大きかった訳です。
その後、1999年秋に、MacOSの大きな改定があったのですが、そのユーザー様は、所謂バージョンアップは出来ませんでした。
その後2000年になっても、古いMacintoshと古いプリンターの組み合わせで大事に使い続けました。
Macintosh本体は、中古パソコン店で、何とか古いモデルの予備を購入して、故障に備えました。
ところが、機械装置のプリンターの部品供給が無くなり、インクカートリッジ等のサプライ用品も無くなり、ユーザー様は土壇場に追い詰められることになりました。
弊社にも、何度かお問い合わせが有り、対策を考えていたのですが、カスタマイズの内容が比較的少なく、また一般的な機能としてパッケージに組込むことも可能であったので、最新の『マーベライズ販売仕入パーフェクト』にパッケージソフトとしてバージョンアップすることで、この問題は解決できました。
しかし、大きくカスタマイズしたユーザー様の場合は、何の問題解決も出来ませんでした。
これらの失敗経験から1つの方向が見えてきました。
間違いの少ないソフトウエア開発の方法とは:
第1番目に決めた事。それは、『パッケージソフトには一切手を付けない』という事です。
販売仕入在庫などの経理処理を行うパッケージソフトは、そのまま使う。
という前提に立つことが、問題解決の糸口です。
一方で、業務処理に属するソフトウエアを独立した形でカスタマイズ開発します。
必要な商品マスター、得意先マスター等の基本マスターは、カスタマイズソフト側から、パッケージソフトに対して参照します。
また、業務処理の結果、作成された売上伝票等の経理データは、カスタマイズソフトから、パッケージソフトに対して自動転送を行います。
弊社で長い事アプリ開発の基本ソフトとして使用してきた『4D Server』には、データベース間通信を行うための『4D OPEN』という技術が有り、このような目的の為に生まれてきたような技術です。
経理処理<->業務処理を構成するソフトウエアをダイナミックにデータ連係する事で、全体として非常に効率の良いシステムが出来上がります。
将来のハードウエア/OSの変更には、パッケージソフトとしての『バージョンアップ』が受けられます。
カスタマイズ開発を行ったソフトだけ、ハードウエア/OSの対応を行えば良いだけです。
この手法は、ユーザー様の費用負担を一気に削減すると同時に、カスタマイズ開発に掛けられる予算を増やすことが可能になります。
業務処理のルールの変更に応じて、また、ビジネスの展開に応じてカスタマイズソフトの機能を追加するだけで良いのですから。
経理処理のためのパッケージソフトは、まるで『レゴブロック』のように、『何時でもパチンと組み合わせることが可能な』ソフトウエアのブロックとしてみなすことができます。
これらの事が、特に中小/中堅企業の経営者や管理者にもたらす意味は大きい事でしょう。
成功例が成功例を呼ぶ:
弊社(マーベルコンピュータ)では、弊社のパッケージ製品だけではなく、他社のパッケージ製品とのデータ連係に関しても積極的に取り組んでいます。
まず、OBC(オービック・ビジネスコンサルタント)の勘定奉行シリーズです。
皆さんもテレビ・コマーシャルでよく御存じの『奉行シリーズ』です。
歌舞伎役者の顔が、『時代の要求に応じてカスタマイズ』の声と共に変化するコマーシャルです。
OBCに問い合わせたところ、現在行っているカスタマイズ方法は、パッケージソフトに直接カスタマイズする方法を採用しているそうです。
OBC製品の標準メニューにカスタマイズメニューを統合するには、この方法しか有りません。
OBCのカスタマイズ部門の担当者も、将来起こりうる問題点は認識していましたが、その時はまた作り直すことで対応するしかないとのことでした。
弊社ではOBCの奉行シリーズに対しても、『間違いの少ないソフトウエア開発の方法』で、カスタマイズ開発を行っています。
また、『MacinCash』(ティーブレイクソフトウェア社製)というPOSレジ管理ソフトを支店/お店側に置き、本社側には、『カスタマイズソフト』を経由して、『販売仕入パーフェクト4D
Server』にデータ連係するシステムを開発しました。
これは、『MacinCash:お店』と、『販売仕入パーフェクト:本社経理』という2種類のパッケージソフトを利用しながら、本社としての『業務処理:オペレーション』をカスタマイズ開発ソフトで実現するという、極めて野心的かつ効率的な方法です。
ソフトウエアを部品化して、再利用を図る。
という考え方は、時代と共に実現技術が変化して、今では高度なものになっています。
XML, SOAP, UDDI, WSDLなどの技術用語を御存じの方も多いでしょう。
私は、現実的な、もっと『泥臭い』ものを。
今は無き、デュアン・オールマンのレスポールによるスライドギターのように『土臭い』というか、
(<-この例えは、例えになっていないぞのツッコミ多し。)
中小企業の社長の顔が見えるような、現実解を提供したいと思っています。
それはまた、同時に『エレガントな解答』でもあるのです。
(数学の問題を解く時に、特に『美しい解き方』に『エレガント』という言葉を使います。)
皆さんの御意見をお待ちしています。-->メールにて。
文責:
株式会社マーベルコンピュータ
製品開発責任者
吉田 正則
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